Archive for ビジネスと経営

徳者事業之基

最近、中国古典を勉強し始めました。以前から読書(特に歴史)は好きでしたが、中国古典は難解なイメージがあり、老子・孟子などいくつか手に取ったものの挫折していました。。。

偶然、無料オンライン学習サイトGaccoで2月から、守屋先生の「中国古典に見る指導者の条件 | gacco」を見つけて受講しました。まだ途中ですが、こんなに中国古典って面白いんだなあ、というのを再発見しています。

中国古典は、孔子・老子・孟子・韓非子etcなど、およそ2000年前に書かれた書物が中心です。それって今の時代に通用するの?と思われるかもしれません。ただ中国古典のテーマは「人間学」です。人間の生きる意味、リーダーシップ、モチベーションなどは、この2000年間さほど変わっていないことが分かります。(だから読み継がれてるんですね。)

また私の年齢にも関係していると思います。20歳の頃に論語を読んでも、人で苦労した経験がないためリアルに感じられませんでした。でも今の42歳だからこそ改めて気付くことがあります。

その中の一つが、「徳者事業之基」(徳は事業の基なり)です。(菜根譚より)

“人間の徳、人柄というものは、事業を起こし、発展させる基礎である。
まだ基礎が固まらないうちに、建てられた家屋が堅固で長持ちしたためしはない。
人の心や志は、子孫繁栄の根本になるものである。
その根がしっかりと植えられていないのに、枝葉が立派に栄えることはない。”

普段は、最新のテクノロジーを追い求めてアナリティクス分野でビジネスを行っていますが、やはりビジネスは目的や考え方が大切なんだと改めて気づかされます。売上・利益もすごく大切、でもその根本である徳はもっと大切。まだまだ経営者としても、人間としても高めていかないといけないですね。

2016、新しいステージへ

2015年は例年にもまして、いろんな変化がありました。当社が展開しているPentaho(日立)やRevolutionAnalytics(MicroSoft)の買収、新たなサービスであるオフショア分析、ビッグデータ・IoTの活用メディア Analytics-Newsの立上げ、データ分析コンサルティングや分析チーム育成支援の案件増加、それに伴う社内体制の変更など。ビジネス面ではお客様やパートナー様のおかげで今年も昨対比20%程度の成長ができました。社内・社外ともにパズルのピースが少しずつそろってきている感覚がありますが、まだまだ目指す道半ばです。

2020年に向けて中期経営計画を策定しました。その最初の年、2016年は従来のアナリティクス・ソフトウェア事業、アナリティクス・サービス事業を分解、再統合して、「ビジネステクノロジー事業」、「データサイエンス事業」、「分析プラットフォーム事業(新事業)」で既存事業を拡大しながら、新事業を促進していきます。

当社のビジョンである “アナリティクスで社会にイノベーションを起こす最優良企業となる” の実現に向けて、今年もさらに、KaSoKuしていきたいと思います!

 

東京オフィス移転しました

2015年11月より、東京オフィスを築地(東京都中央区築地2-7-10 築地シティプラザ6F)に移転いたしました。ガラス張りのため、前のオフィスよりも明るく感じます。スペースも少し広くなりました。これも日頃お付き合いいただいているお客様、パートナー様、社員みんなのおかげです。ありがとうございます。

最寄り駅は日比谷線 築地駅または有楽町線 新富町駅となります。近くには、築地本願寺や築地市場があり、観光客でにぎわっています。ぜひお近くにお越しの際にはお寄りください。

以下オフィスの写真、右下のキャラクターは社員発案の当社ゆるキャラ?「アジャイル足軽」です。

 

Hitachi Social Innovation Forumに参加

日立さんの最大のイベントであるHitachi Social Innovation Forumに参加に参加してきました。東京国際フォーラムを2日間貸切で、来場者もすごい人でした。改めて日立グループの大きさを実感しました。

中西CEOの基調講演を聞いて、今後の方向性を感じることができました。特に印象に残ったのが、UKの鉄道サービスの事例です。
元々国営British Railwayが運営していたものを民営化したわけですが、PPP(Public-Private-Partnership)の取組みを通じて国と民が協調するスキームになっています。UK Agile Train社が金融リースを担当、日立製作所が車両製造だけでなく、車両運行まで行うとのこと。従来のメーカーの概念の超えてサービスまで一貫して行うことで、より精度の高い故障予測も可能になる。。。

日立さんだけでなく、今後のメーカーはこのようにモノ売りだけでなく、サービス売りになっていくことを実感しました。鉄道だけでなく、生産設備も工作機械も、自動車も家電も、およそ電気を使うものはすべてサービス化で勝負することになっていくんですね。

Pentahoもご紹介いただいていました!

 

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ITベンチャー支援プログラム EXIT(イグジット)

最近、大阪市様よりお声掛けいただき、ITベンチャー支援プログラム EXIT(イグジット)のメンターをさせていただいています。先輩起業家からの「メンタリング」を軸に、短期間で事業(IT分野)をブラッシュアップさせる実践型のアクセラレーションプログラムです。

私以外のメンターは、シナジーマーケテイングの谷井社長、さくらインターネットの田中社長、ロックオンの岩田社長など関西では有名なIT企業家の方々で、アドバイスされる内容など私自身も参考にさせていただいています。

参加されるスタートアップ起業家の方が、複数回のピッチやアドバイスを通して、プランを練り実行していきます。自分を振り返ってみると、創業当初は右も左も分からず、思いつくまま、ただがむしゃらに突っ走っていたと思います。あの頃に比べると、今は社員が増え、お客様が増え、製品が増え、事業もやりやすくなってきました。

ただ今もまったく落ち着くつもりはなく、チャレンジャーの精神で、新しいことを始めようとしています。そういう意味ではKSKアナリティクスもこれからのスタートアップ企業と同じです。いつまでも創業時と同じ熱い気持ちが集まる企業でありたいです。

 

データサイエンティスト vs スマートクリエイティブ

ビッグデータという言葉とともにデータサイエンティストへの注目が集まりました。データサイエンティストとは、増え続ける多様なデータから、業務知識とITと統計スキルを武器に、ビジネスに活用できる知見を引き出す専門家のことです。データサイエンティストに必要なスキルや育成方法など、さまざな論議がされています。

一方、How Google Works(私たちの働き方マネジメント)で提唱されているものにスマートクリエイティブがあります。スマートクリエイティブとは、Googleのエンジニアを想像してもらうとイメージしやすいと思います。その基本要件は、以下といわれています。
・ビジネスセンス
・専門知識
・クリエイティブなエネルギー
・自分で手を動かして業務を実行しようとする姿勢

さらに、その特徴を表現すると...
高度な専門知識を持ち、経験値も高い/分析力も優れている/ビジネス感覚も優れている/競争心も旺盛だ/ユーザのことを分かっている/好奇心も旺盛だ/リスクをいとわない/自発的だ/細かい点にまで注意が行き届く/コミュニケーションが得意だ

こう見てみると、スマートクリエイティブは、データサインティストも包含する広い概念であることが分かります。そして、データサイエンティストの価値が社内向け(売上向上やコスト削減等)なのに対して、スマートクリエイティブの価値は社外向け(データを使ったビジネスの創出)であることに気付きます。

KSKアナリティクスでは、お客様に向けてデータ分析サービスを提供するため、データサイエンティストを育成支援しています。ただ、データサイエンティストの将来のキャリアを考えた時、スマートクリエイティブは更なる素晴らしいステップだと思っています。スマートクリエイティブの人たちが集まり、面白いプランを産み出し、プロトタイプを作り、サービスやアプリを提供する、そしてサービスを育てるためのヒト・モノ・カネを当社が提供する、そんな仕組みを少しずつ作っていっています。

1.Clouderaとのパートナーシップ、2.オフショア(ベトナム)でデータ分析を開始

今週は立て続けに2つのプレスリリースを配信しました。

1.プレスリリース:KSKアナリティクス、米国Cloudera社と販売代理店契約を締結 -Hadoopを活用したビッグデータソリューション「Cloudera Enterprise」を販売開始-

Hadoopのリーダー企業であるClouderaは、2012年のCloudera World以降さまざま取組みさせていただいてきました。また昨年のCloudera World2014では、プラチナスポンサーとして協賛させていただきました。今後も特に、ビッグデータ統計解析やデータブレンディングのソリューション提供で協業を進めてまいります。

 

2.プレスリリース:KSKアナリティクス、ベトナムIVSと協業してオフショアでビッグデータ分析 -ベトナムでデータサイエンティストを育成し、国内・アジア向けのIoT及びデータ分析需要の受け皿を目指す-

オフショア開発は皆さんご存じだと思います。今回発表した「オフショア分析」は海外の企業でデータ分析業務を委託して行うAPO(アナリティクス・プロセス・アウトソーシング)です。海外ではすでにこのモデルが大きく成長しつつあります。最も最大手は印ミューシグマ社です。約3500人のデータサイエンティストが在籍しています。

同様の流れは、近い将来日本にも当然くるでしょう。KSKアナリティクスの分析サービスのスタンスは、基本的にお客様自身で自律的な分析ができるよう支援することですが、一方でデータの前処理加工など、やはり地道な仕事は誰かがしなければなりません。分析で継続的なビジネス価値を出し続けるには、それらも含めてお手伝いできることが必要です。

今ベトナムでデータサイエンティストとなる方に、NYSOLやR、RapidMinerなどのOSSの分析ツールの教育や実習を行っています。大学や大学院で統計学を勉強してきた方などもおり、またもともとUnixのエンジニアの方なので習得が早いです。今年にはまず10名、2017年までに100名の分析者育成を予定しています。

2015年が始まりました

KSKアナリティクスでは、1月から新しい期が始まります。先週は全社員約20名が大阪に集まりました。午前中は今期の方針説明の時間、経営理念の再確認や2020年のKSKアナリティクスのイメージ、そしてアジア向け新事業の話などを行いました。また福利厚生では、フレックス制や家族の誕生日休暇の導入、社員のコミュニケーション支援(月に1回3人以上で飲み会した場合一人2000円補助、ただし笑顔の写真を後日Upすること)などを導入しました。

午後は、TED×KSKAnalyticsと称して、大プレゼン大会、テーマを自由にして、それぞれ発表。私はディープラーニングについて調べたことをシェア。メンバーは、仕事・プライベート問わずさまざまなテーマで考えをシェア。普段東京・大阪と拠点が分かれているため、馴染みないメンバーのプレゼンはお互い新鮮だったようです。

夜は阿倍野Harukasに昇って夜景を堪能、大阪名物のうどんすきを楽しみました。

企業としてもメンバーも、去年より今年、今年より来年と少しずつ成長をできていることに感謝をしています。今からの5年間は、これまで以上に目まぐるしく環境が変わっていくと思います。特に今年はビッグデータ、IoT、アナリティクスといったデータ分析への時代の実需ニーズが急拡大してくる年になります。大きな波を上手く乗りこなせるように、上手く変化し成長するとともに、変わらない理念は土のように守っていきたいと思います。

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IoTシンポジウム@Intelマレーシア


インテル マレーシア ペナン工場で行われたIoTシンポジウムに参加してきました。日経新聞にも公開されましたが、昨年Intel IoTチーム、三菱電機、Revolution Analytics、Clouderaで、予防保全や不良品削減ソリューションがインテル ペナン工場に導入され、大きなビジネス価値を創出しました。シンポジウムでは、実際に分析やモデル構築を行ったデータアナリストや現場メンバーとの少人数ディスカッションは、非常に内容の濃いものになりました。
当社はRevolution Analytics&Clouderaの日本パートナーとして、来年からはインテル様・三菱電機様とともに、本ソリューションを日本国内の製造業様に提供してまいります。

Code for Japan

先日、Code for Americaの創設者、Jennifer Pahlkaの以下のTEDを見て胸を打たれました。政府にねだるだけではなく、自分たちで必要なデータやアプリを作っていこう、という取組みに21世紀の市民はこうあるべきだな、と思いました。

(日本語字幕:右下のCaptionメニューからJapaneseを選べます)

そして、Code for Japanが昨年できていることを知りました。こちらは、Code for Americaにならって日本でも「ともに考え、ともにつくる」というテーマの下、様々なバックグラウンドのメンバーがオープンに地域のかかえる課題を解決しようと活動されている団体です。

先週の休日、偶然地元(奈良)でCode for Naraのイベントがあり、定員オーバーだったのを無理やりお願いして参加。ならまちを調査してWikipediaやOpen street Mapを編集などを体験させてもらいました。代表者の方にお話しを伺うと、今年から活動を始めたばかりだが、今後は行政とも協力しながら役立つデータやアプリなどを提供していきたいとのこと。こういう取組みが日本全国で広がっていくと本当の意味でスマートな社会になっていくと思います。

会社としても、個人としてもこういう取組みには積極的に関わっていきたいですね。皆さんも地元のCode for XXXを一度検索してみてはいかがでしょうか?