Archive for ビジネスと経営

データ分析&人事制度

先月まで、ある大手企業のお客様のデータ分析人材の人事制度構築を支援していました。データ分析は、ビジネス、数学、OR、機械学習、統計、ITなどの合わせ技であり、個人が複数のエリアに精通する必要があります。組織の点で見ると、さらに複雑で、それらの分析人材を適正に評価し、うまく育成し、足りない人材は採用し、そのキャリアパスを考える必要があります。

最近は、AI・IoT・ビッグデータのプロジェクトが本当に増えました。それに伴い、
→データ分析人材(データサイエンティストやデータエンジニア)の需要が増える
→組織の中でデータ分析人材が増える
→それをマネジメントする仕組みの需要が増える、ということが起きています。

しかし、データ分析者は、まだ新しい職種であり、育成や評価で多くのお客様が悩んでいます。
→専門職としてのキャリアパスが社内に整備されていない
→そもそもデータ分析人材のスキル定義や評価ができない
→データ分析人材の育成方針や採用方針がない

そのために最近では、データ分析コンサルティングだけでなく、データ分析人材の育成・採用ご支援のご依頼をいただくようになりました。私自身があまり稼働が取れないので、お請けできる仕事にも限りがあるのですが、やはりお客様自身が真のデータ分析活用企業になるために、人事制度は重要です。時間の取れる限り、支援を続けたいと思います。

 

発散と収斂(大きく学習して、小さくまとまる)

ディープラーニングなどのニューラルネットワークのモデル作成では、学習率(学習過程でどれだけ大きくパラメーターを更新していくか)が重要と言われます。良いモデルを作るためには、学習率は一定にするのではなく、学習が進むたびに変化させることが必要です。一般的には、初期は大きく学習させて、学習が進むにつれて小さくしていきます。なぜなら、最初はどこがもっとも良い場所かがわからないからです。しかし学習を重ねることで、そのポイントはわかってきます。

面白いことに、これは、人の人生、会社の組織においても同様のことが言えます。私たちは生まれてから(特に若年期において)多くのことを学習し、失敗し、そこから学び、自らを変えて、成長していきます。その中で自分のやりたいことを見つけ、そして、最終的には特定の分野に収斂していきます。私自身も、大学を出て就職してから、将来に迷い、留学・転職・独立など様々な学習を通して、今の進むべき道を見つけました。

人が集まってできる組織(会社)も同じことです。当社の創業前後2005年〜2007年は様々な事業をトライアルしました。(先日数えて見たら企画段階で終わったものも含めて10事業ほどありました。)その中で、今のデータ分析にかかわる事業の将来性や面白さに気づき、そこに専門特化して行きました。多分、色々な事業の可能性を試していなければ、ピボットすることもなく、結果として現在のビジネスの可能性に気づく機会も得られなかったと思います。
今後もまた新たな発散と収斂を繰り返して行きたいと思います。

2018 Kick-off!!

大阪本社で2018年のキックオフMTGを開催しました! 今年は、既存ビジネスに加えて、自社の機械学習&データ加工ソフトウェアをリリースしていきます。また今後のIPOに向けた重要な年でもあります。より多くの「感動」K、より多くの「成長」S、より多くの「貢献」Kができるよう、楽しみつつも頑張りたいと思います!

 

ksk-analytics

2017下期MeetUpを開催しました

先週7月14日(金)東京オフィスで社員MeetUpを行いました。ご参加いただいた皆さんお疲れ様でした。いろいろと準備調整いただいた皆さんありがとうございました。

【KSKは何のために在るのか?KSKはどこへ向かうのか?】
社員総会での私が多くの時間を使ってお伝えしたこと、それは、「何のためにKSKアナリティクスは存在するのか?(この航海の目的)」、「何を目指すのか?(この航海の目標)」ということでした。

1.航海の目的=経営理念
繰り返しになりますが、KSKアナリティクスは、
K:お客さまに「感動」を与え、
S:社員が「成長」し、
K:コミュニティや地域に「貢献」するために、この世に存在しています。
これは、当社がこの世に存在し続ける理由であり、この航海の続ける目的です。

2.航海の目標=ビジョン
私たちが作り上げようとする世界、それは、「Data Analysis for Everyone!(誰もが当たり前にデータを分析・活用できる社会)」、です。

「近所のお弁当屋のおばちゃんが明日の弁当の仕入れ需要予測をスマホを通して行える」
「一般のビジネスパーソンが表計算ソフトのように機械学習技術を活用できる」
「製造現場の工程改善にディープラーニングが当たり前に使われている」

そんな世の中になった時に、企業の生産性、ひいては人間の生産性は飛躍的に向上し、自ら課題を解決できるより良い世の中になると信じています。

松下幸之助氏が家電の民主化により豊かな生活を作ったように、MicrosoftやGoogleが情報の民主化によりIT/Webという新たな世界を作ったように、データ解析を民主化することで、大きなイノベーションが起こると考えます。
(AIを民主化することとは少し違います。AIはあくまで一つの技術手段です。AIを含む様々なデータ解析技術や思考方法を世の中に広く行き渡らせることで、人々が自らの意思でより良い意思決定が行えます)

KSKは、オープンソースによる分析サービスを提供する国内唯一の企業として、この世界を作っていくことができます。そして我々にしかできない仕事です。この機会に感謝し、使命感を持ちながら、でも楽しくこの航海を皆さんと一緒に進めていきたいと思います。

下期もよろしくお願いいたします!

社内にSafari Online(サファリオンライン)導入

先月よりKSKアナリティクス社内でSafari Onlineを導入しました。

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Safari, the world’s most comprehensive tech & business learning platform
(サファリ  世界で最も包括的な技術とビジネスの学習プラットフォーム)
https://www.safaribooksonline.com/

【特長】
・良質な海外技術書(Oraillyなど)を読み放題できる。
・最新のビジネスやテクノロジーの講座を好きなだけ受講できる。
・PCやタブレットで持ち運びでき、いつでもセルフスタディできる。
・コンテンツはすべて英語のため語学の学習にもなる。
・価格は個人契約の場合は、1人年間$399(4万円強)。

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今までオライリーの技術書籍などは書籍制度(月5000円まで支給)で各人で購入していましたが、Safariではこれがすべて読み放題となり、かつ電子書籍として閲覧&共有できます。またデータサイエンスの良質な教材コースが揃っています。ボリュームディスカウントしてもらえたので、個人で導入するよりも安価に導入ができました。

データサイエンスは、まだ新しい分野で決まった教育カリキュラムがないため、セルフスタディが中心となります。それであれば、やる気のある人にそうした環境を整えてあげることが一番重要じゃないかと思います。(私も文系ですがテクノロジー大好きですので、バリバリ活用する予定です。) データ分析、アナリティクスに本気で取り組みたい方、ご応募いつでもお待ちしています!

 

Intel Solution Summit@Macauに参加

Intel様にご招待いただき、マカオで行われたパートナー向けカンファレンスに参加してきました。パートナー向けとは言え、中国・ASEANのハードウェア&ソフトウェアメーカーが100社超(数百名)が参加する大規模なものでした。予め各社同士でアポイントを取れ、双方向でビジネスマッチングできる機会があり、具体的なビジネスの話もしやすい良い機会でした。改めて中国のIoT市場の大きさも感じました。中国語を勉強し直したくなりました。

2017始動!

当社の2017年が始まりました。KSKアナリティクスでは、先週新しくなった大阪本社オフィスで、2017方針説明を行いました。今年は、既存事業を拡大しながら、開発を進めている新規事業(分析プラットフォーム)を成長させていきます。
創業して10年、データ分析市場の拡大とともに、社員も会社も着実に成長している実感があります。この状況に感謝し、真摯に、精力的に、楽しく成長していきたい、KSKアナリティクスは、そんな人が集う企業でありたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます!

 

企業はIT部門を捨て、分析部門を作れ!

アグレッシブなタイトルですが、要は企業は「早く自社内に分析部門を早く作ったほうが良い」ということを言いたいのです。

現在のような目まぐるしく変わっていくビジネス環境では、自社の強み(コア・コンピタンス)を磨くとともに、それ以外は効率的に運営する(アウトソーシング等外部を活用)ことが求められるのは、皆さんご存知のところです。

テクノロジーは、劇的に変化を遂げています。IT(ICT)は業務に不可欠な存在になりましたが、この20年で一気にコモディティ化が進んでいます。

これらを提供するハードウェア/ソフトウェアベンダーから見ると良く分かります。
40年前、ネットワークハードウェアを持つ企業がIT業界をリードしていました。
30年前、OSを持つ企業が覇者となりました。
20年前、その上で動くソフトウェアデータベースが重要になりました。
10年前からそれらはクラウドとなり、さらにその上に乗るデータやコンテンツ、ビジネスが競争優位の源泉となっています。

企業組織の観点から見てみましょう。企業は自社のコアとなる経営資源には、投資を行い自社で抱えねばなりません。一方で、代替の効くもの(コモディティ)はアウトソースしたほうが効率的です。ITはどんどん下のレイヤーからコモディティ化していっています。

今、巷で「データ分析」や「人工知能」が話題となっています。なぜなら、IT基盤に乗る「コンテンツ」や「ビジネス」は通常他の企業が真似できないオリジナルのものだからです。これらは、従来のIT部門だけで作り出すことは難しく、IT力+現場力+分析力をもつ部門横断的な組織「分析部門」が必要になります。

最近、多くの企業で分析プロジェクトチームや、分析グループの方とお会いするようになりました。ここで成功事例が数多く生まれ、分析部門が企業の中でメジャーな存在なることを願っています。

AI(人工知能)は善か?悪か?

最近は一般の新聞やメディアでも、シンギュラリティ(技術的特異点)が語られるようになり、コンピュータが人類の知性を超えることに関する否定的な意見を見ることがあります。

例えば、
ある人は、人工知能により将来XX%の仕事が奪われる、といいます。
ある人は、分子レベルのナノボットで人工内蔵が作られる(倫理に反する)、といいます
ある人は、すべての行動が管理され、監視される社会になってしまう、といいます。

しかし、数十年前インターネットが広がる以前、世界規模の通信ネットワークの実現も、それを通じてのソフトウェアウィルスの蔓延も現実になるとは思われていませんでした。

今日、それらの出現によって、私たちは恩恵を受けた反面、弱点をさらすことにもなりました。しかし、ウィルスの危険の高まりに合わせて、技術的な免疫システムも登場しました。結果として、今日私たちは「害」よりもはるかに大きな「益」を得ています。

人工知能は、上記のリスクは存在するにせよ、テロの防止、貧困の撲滅、美しい環境の回復、病気の克服、寿命の伸長など、人類の世界的な課題を解決する大きな可能性を持っています。それであれば、これらをインターネットのように使いこなしていくことが、私たち人間の取るべき道だと思います。

 

ビジョン策定、Data Analysis for Everyone !

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桜の花も散り、新緑の眩しい季節が始まりつつあります。KSKアナリティクスも、新たな取組みを始めています。今回新たにビジョン:Data Analysis for Everyone! を策定しました!

KSKアナリティクスでは、経営理念として以下を掲げています。
お客様に「感動」Kを
従業員に「成長」Sを
社会・コミュニティに「貢献」Kを
これは、当社が存在し続ける限り、変わらない経営理念です。

一方で、数年先~数十年先に実現したい世界を表したもの、それがビジョンです。

Data Analysis for Everyone! (誰もが当たり前にデータ分析・活用できる社会)

【説明】
数万年前に「言葉」が生み出され、ヒトは他者と知識を共有できるようになりました。
数千年前に「文字」ができて、本によりヒトは知識を後世に残せるようになりました。
数十年前できた「Web」は、世界中の知識を共有し蓄積できるようにしました。
数年前から話題となっている「Data」は、それらが融合され新たな知識を産み出しはじめました。

一方で、一般社会において「Data」はどれくらい活用されているでしょうか?データ分析・活用はまだ黎明期です。一部の高度な技術をもった人でないとその恩恵に預かれない状態です。一般のビジネスパーソンがデータを分析・活用するにはまだ高い壁があります。なぜなら、以下の問題があるためです。

・分析ツールが高い、使いづらい
・分析できる人材がいない
・分析ノウハウがない

KSKアナリティクスは、誰もが当たり前にデータを分析・活用できる社会を作るために、「オープンソース・ソフトウェア」と現場と協働する「アナリティクス・サービス」で、これらを解決していきます。これは、たぶん日本では我々が一番得意なことであり、我々に課せられた使命です。

今から5年、2020年には、このビジョンを実現したいと思います。多くの日本企業でデータ分析・活用がもっと一般的なものとなっていった時、日本企業の価値生産性は上がり、KSK Analyticsも大きく成長していると思います。

このビジョン実現のため、これからの数年間、邁進していきたいと思います。