データ分析はBeforeとAfterが重要!?

最近は、ほぼ毎週のようにIoTやデータ活用を始めたいので、相談に乗ってほしいというお声掛けをいただき、さまざまな業種・業界のお客様を訪問しています。その中で、よく課題に上がるのが、「データ分析前の問題」と「データ分析後の問題」です。

データ分析前の問題:Before Data Analysis
1.そもそも、何を分析してよいか分からない(課題設定の問題)
当然ながらデータで問題を解く前に、まず何を問題とするかが重要です。そして、その問題が、「データを使って解決できるものなのか」「解決した時のビジネス価値が高いのか」をお客様自身が判断しなければなりません。ブームに乗ってやみくもにデータ解析を行う前に、自社にとっての価値を決めなければなりません。これがないと期待したROIが得られません。

2.分析する人材がいない(分析人材の問題)
最近はデータサイエンティストの求人は完全な売り手市場です。なかなかビジネススキル、分析スキル、ITスキルを兼ね備えた人材の獲得は困難です。しかし、一人のスーパーマン獲得は難しくても、チームで協働することはできます。現場部門の人+IT部門の人+外部の分析コンサルタントにより、現場主導型の分析プロジェクトは可能です。

3.どのように分析してよいか分からない(分析ノウハウの問題)
データ分析はどれだけ引き出し(方法)を知っているかです。こういう問題にはこういう手法が使える、こういう見方もできる、優秀なデータアナリスト程、多くの引き出しを持っているものです。まったく初めてデータ分析に取り組む際には、外部の分析コンサルティングを使う価値は高いと言えます。なぜなら、業務スキルやITスキルは社内人材で見つけられますが、データ分析を経験した社内人材はまだ少ないからです。良い分析コンサルタントと活動することでスキルトランスファーが進み、自立的に分析ができるようになります。

4.分析ツールの購入費用が高い、または使いづらい(ツールの問題)
データ分析を阻むものの一つは高額なツール費用です。多くの場合、分析プロジェクト初期には潤沢な予算は得られません。そこではオープンソース・ソフトウェア(OSS)が役立ちます。OSSは初期コストを抑えるだけでなく、コミュニティによる素早い開発やカスタマイズ、またコミュニティメンバーやお客様と分析機能や結果を共有できるなど、データ分析に相性が良いと言えます。

 

データ分析後の問題:After Data Analysis
1.分析結果をどのように現場に適用してよいか分からない(データサイエンティストの現場感覚の欠如の問題)
XX社の有名なデータサイエンティストにお願いしたのに、結局現場で使えなかった。。。という声を聞いたりします。PhDを持つデータサイエンティストでも業務知識では現場の人には勝てません。良い分析結果が出ても、それを解釈して実際の施策や新たな課題解決を提起するには、そのビジネスを深くを知ることが必要です。そのため、分析をデータサイエンティストに任せるのではなく、現場の方が自ら分析を行うことが重要です。

2.せっかく施策を提示しても現場が使ってくれない(現場の職長を巻き込むマネジメントの問題)
営業現場や製造現場など、現場が強い組織ほど、一方的に分析結果を提示しても使ってもらえません。使ってもらう工夫が必要です。例えば、こうした故障予測のレポート1つでも工夫ができます。”XXX機種 1週間以内の故障A 発生確率 82%” だけでなく、エビデンスとしてのセンサー時系列チャートや対処方法ヘルプへのリンクなど、「現場(あなた)の意思決定をサポートします」という意図が入らないと使ってもらえません。

3.データ分析を継続できない(PDCAが回っていない問題)
コンサルタントにすべて依存した場合、そのコンサルタントが去った後は、元の状態に戻ってしまいます。必要なのは、コンサルタントを活用しながら、スキルトランスファを行い、自立的な分析チームを作ることです。そのためKSKアナリティクスでは、少し変わったデータ分析コンサルティング(データ分析チーム育成支援)を行います。OSSを使い、お客様と一緒に分析しながら、スキルトランスファーを行っていきます。すべてのビジネスパーソンが当り前にデータを分析・活用できた時、日本の生産性は飛躍的に向上すると思っています。

 

 

 

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