コモディティ化する世界

Bubble World Reflection
コモディティとは、直訳すると日用品という意味ですが、コモディティ化というと、一般的には供給者による価値やサービスが均一化することで、差別化が難しくなることを言います。

最たるものがハードウェアです。今ではPCはコモディティとなりました。携帯電話もそうです。スマートフォンももうすぐコモディティとなるでしょう。カーナビも液晶テレビも、そのコモディティ化の速度は、どんどん早くなっていると思います。オープン化と標準化により、参入の敷居が低くなることでコモディティ化は起きます。

ソフトウェアの世界でもそれは同様で、オープンソースの出現により、OSはコモディティになりました。データベースもミドルウェアも同じです。KSKアナリティクスが手掛けるBI(ビジネスジェンス)やデータマイニングも、いずれコモディティ化していくでしょう。ソフトウェアは、①新たなコンセプトが出て、②それらを実現するソフトウェアが出現し、③成熟してコモディティ化していく、プロセスを繰り返します。

このように書くとコモディティ化は、マイナスなことばかりにも聞こえますが、そればかりではありません。コモディティ化することで、誰でも最新かつ最先端の技術を使うことができます。それによってイノベーションが触発されます。またそれは才能ある個人、新しいベンチャー企業、新興国の人々に恵みをもたらし、富の再分配につながります。例えば、

・Webの登場によって、誰でも多くの情報にアクセスし、利用できるようになりました。

Amazon Web Serviceの登場によってベンチャー企業でも大規模なクラウド環境を構築できるようになりました。

オープンソースの登場によって、だれでもOSやDB、BIソフトウェアを使えるようになりました。Hadoopの登場によって、データを低コストかつスケーラブルに処理できるようになりました。

ハーバードやMIT等が講義アーカイブの無償提供によって、新興国の子供たちでも大学の講義を受けることができるようになりました。

経営は、「ヒト」「モノ」「カネ」といいますが、こうしたコモディティ化する世界においての競争優位は、「ヒト」につくはずです。もっというなら、人のコンセプチュアルなスキルにつくはずです。なぜなら、そのコンセプトを実現できる環境が、以前に比べて格段に整っているからです。

当社が対象とするデータ分析やデータサイエンスの分野では、今後はさらにソフトウェアの価値はコモディティ化していくでしょう。当社はそれをオープンソースBI/BAで促進していくつもりです。それは、従来型のソフトウェアベンダーにとっては脅威かもしれませんが、私たちは、それによってさらなるイノベーションが触発されることを期待しています。ただ、企業の戦略的データ活用は、最もコモディティ化が難しい分野です。ここはまさにデータサイエンティストの出番ですね。

コモディティ化するものとコモディティ化しないもの、それぞれのライフサイクルの波をうまく取り入れたいですね。

 

 

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